シリンダーの組み込み
さてさて、いよいよシリンダーを組み込んでいきましょう。
空冷エンジンのこの場合は、アルミのシリンダーにスチールのスリーブが圧入してあります。エンジンが暖まるとシリンダー本体も熱膨張いたしますが、アルミとスチールでは膨張率がちがいますので、スリーブのはまり込みが若干弱くなります。上からシリンダーヘッドで押さえておりますので上下には動かないのですが、古いエンジンでは暖まった時にスリーブが回転するように動いてしまう物もあるんです。冷間時にスリーブを下からプラスチックハンマーでたたいてやり少しでも動いたらNGですよ。クランクケース内のオイルがシリンダーとスリーブの間に入ってこないようにOリングが付いております。これも新品に交換いたします。
シリンダーをはめ込む際にシリンダーとクランクケースの間にガスケットを入れるのですが、私はシリンダー側にガスケットを合わせておいて、輪ゴムで止めておきます。こうすれば邪魔にならずに作業できますから。
慎重に4本のピストンをはめ込んでから、カムチェーンを手で持ち、クランキングします。この時に軽~~くクランキングできない場合はピストンリングがうまく入っていない場合があります。そんな場合は・・・すでにリングは破損しているので、再度部品交換なんですけどね・・・(笑)。
以前エンジンオーバーホール後にマフラーからの煙が止まらないんですけど・・・と作業をしたお店に言うと「エンジンオーバーホール後は煙はきますよ!」って言われたらしく、どうにも気になり弊社に入庫した車両です。エンジンを分解してみると・・・・・。薄いオイルリングが折れていました。その破片が噛み込んでピストンが溶けています。とうぜんシリンダーもえぐれています。正直言って・・・組み込みミスですね。
| 固定リンク
「ガッツカワサキ~各店つぶやきコーナー」カテゴリの記事
- ヘルメットのカスタムペイント(2020.03.12)
- TOPGUN GPZ900R(2020.01.26)
- TOP GUN マーベリック(2020.01.22)
- Z900RSのハンドル交換(2019.03.15)
- カワサキVN2000のワンオフフロントフェンダー(2019.03.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント